DJ Kefir(ケフィール):「日本は全ての者、人にオープン」
セルゲイ・ラザレフ。ロシアのクラブ文化のファンの間でDJ Kefirとして有名で、今年の冬、東京のあるクラブでプレイした。今後も日本のクラブシーンで活躍する予定。ケフィール自身の日本に対する印象、日本のクラブシーンとエレクトロミュージックの独特なところ、ロシアのクラブシーンとの違い、日本のショービジネスのルールについて話してくれた。(4月に掲載したインタビューの日本語版をアップしました。)
-セルゲイ、こんにちは。日本への来日は今回で2度目ですね。日本に対する印象は1回目と変わりましたか?一般に日本のライフスタイルと日常生活についての印象はどうですか?
-こんにちは。日本は2回目なんだけど、今回は少し違う面から日本を見ることができたんだ。日本の人は国のために働いて国を発展させるために作られた、非常にうまくいったプラグマチックなシステムの中で暮らしているということが分かったんだ。日本人は仕事に対し、完全に没頭しているんだけど、それと同時に、他の国の人が持っていない、独特な部分を持ち続けているというユニークさがある、と僕は思うんだ。そして、私に日本という素晴らしい世界を紹介してくれた、マネージャーの下野佐紀子さんに特に感謝したい。彼女のおかげで何度も何度も日本に戻ってきたいと思うようになったんだ。そして、日本での訪問中にできた友達にも感謝したい。その中には日本人もロシア人も日本に来た外国人もいるんだよ。また、今回のクラブイベントの主催者、Crazy Crazy Crazy Party(CCCP)の皆さんにも感謝の気持ちを伝えたい!
-他の大陸から飛んできて、東京のおしゃれなバーでプレイの後、すぐに東京マラソンに参加しましたね。どうでしたか?
-実は、最後までマラソンを完走できるとは思っていなかったんだ。マラソンの前に夜の仕事と時差ぼけあったしね。だけど、ほとんどの距離をいい気分で走れたし、雰囲気を楽しんで走ることができた。全く予期していない度派手な衣装をきたマラソンの参加者と、拍手や食べ物・飲み物をもって応援していた観客を見たことがものすごく面白かった。とても魅惑的で楽しいショーだった。スポーツイベントとしてはものすごくレベルの高いものだったと思うよ。マラソンの主要なリーダーたちは、世界的に有名なスポーツ選手だったしね。そしてこのイベントの特徴は、そのような有名なスポーツ選手が、例えば僕のようなアマチュアと一緒に走るということ。
-好きな日本の格言はありますか?
-日本の生活の中でもそこの部分に興味を持っていたので、いくつか知ってるよ。ことわざや格言こそ、その国の人々の心が見えてくると思うんだ。勉強し始めたら、格言からでてくる知恵が境界をもっていないことに気づいたんだ。多くの格言やことわざはロシアのことわざと似ているから。例えば、ロシア語に«Мудрому человеку не вода, а ближний зеркалом служит» (「賢い人には水ではなく、親しい人が鏡になれる」)というのがあるんだけど、日本語にも似たような意味をもってることわざがあったんだ。
-日本について、一つの音で表現するなら、それはなに?
-穏やかで長い音、かな。
-日本語を勉強したいですか?
-もちろん。ショービジネスにおいて、大きな計画があるよ。そして、その内のいくつかを日本と関連付けたい。日本のプロデューサーや歌手とダンスミュージックを一緒に作ることに興味があるんだ。
-もうじき日本人の歌手ヒロンとのコラボのビデオが配信されますね。いつ、それを観れますか?もっとコラボをする予定ですか?
-僕にとって痛い質問だね。トラックは一年前にできてるんだ。PVは昨年の夏に撮影。それ以来、一度もPVを観たことがないんだよ。だけど、日本のプロデューサーによると、すでに準備できていて、もうすぐリリースされると言うことなので、僕もそれを楽しみにしているよ!
-一般的にロシアと日本のショービズのルールに違いはありますか?貴方の意見では、外国人にとって日本のショービジネスはどれくらいオープンですか?
-日本は誰に対してもオープンだと思う。ショービジネスのルールは世界中のどこにいっても同じ。日本人は、石橋をたたいて渡るよね。だから、結果をもらうのに待つ必要がある。これまでずっとそうだった。多くのことは知り合いを通して解決される。それも伝統なんだと僕は思ってるよ。
-日本のナイトクラブの印象はどうですか?もっとも驚かせたことはなんでしたか?
-一つの観点からみると、日本のクラブは世界中のクラブとあまり変わりはない。インテリア、お客さん、音楽、技術レベル。また別の観点から見た場合、すぐにその違いを感じることはできないかな。というのは、一般的なスタイルを見た場合、国の特徴がよく感じられると思うんだ。もちろん、アメリカのショービズの影響を感じるけど、一般に日本のクラブ文化は独自性があると思う。
-日本のエレクトロミュージックを西洋と比較したらその違いは正に何ですか?
-日本人は生活においても音楽においても、新しいものに対してすごくオープンだと思う。それまでなかった。これは素晴らしい特徴。日本人がしていることは全部日本の精神に満ち溢れている。それは強くて古代的。僕に同感してくれる人がいれば、僕が何を言いたいのかすぐに分かってもらえると思う。
-今の日本のエレクトロミュージック・プレイヤーで注目している人はいますか?自分のミックスではどんな音楽を使えますか?日本のディスコファンク、70年代、80年代のビンテージとか、現代の何か、か?
-日本のステージはあまりよく知らないんだよね。むしろ、日本の音楽文化に自分を紹介したいな。たとえばAKB100を作ってみるとか(人気グループAKB48からヒントを得た!)
-ロシアのクラブダンス文化は日本と何が違いますか?
-ロシア人はみんな最大限にリラックスするのが好き。踊るとしたら、倒れるまでに踊る! クラブに行くと、朝までいる! お酒を飲むとしたら、お金がなくなるまでか、力がなくなるまで飲む!
-最後に、ロシア人のDJたちは日本の聴衆に関心をもってもらえると思いますか?
-これは難しい質問だな。どのような場合でも質の高いものを作らなければならないと思うんだ。ロシアの特徴を民族音楽と文化の中で発見することができる。僕はそう思うな。
- Спасибо! ありがとうございました。
バクルノワ・タチアナ、ムラシキン・ニコライ、下野佐紀子(翻訳)
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